【初心者向け】つみたて投資のきほん 仕組みと始め方を分かりやすく解説
定年後の生活資金や将来の資産について、漠然とした不安を感じることはありませんか?「今から何か始めた方が良いのだろうか」「でも、難しそうだしリスクも怖い」と感じている方もいらっしゃるかもしれません。
特に、まとまった資金を用意するのが難しい、あるいは投資経験が全くないという方にとって、「つみたて投資」は資産形成を始めるための有効な選択肢の一つとなり得ます。
この記事では、つみたて投資がどのようなものなのか、なぜ初心者の方にも取り組みやすいと言われているのか、そして実際に始めるためにはどうすれば良いのかを、分かりやすく解説します。
つみたて投資とはどのようなものですか?
つみたて投資とは、毎月や毎週など、決まったタイミングで、決まった金額を、同じ金融商品(例えば投資信託)に継続して投資していく方法です。
一度設定してしまえば、自動的に買い付けが行われるため、手間がかかりにくいのが特徴です。例えば、「毎月1日に1万円ずつ、この投資信託を買う」といった設定をします。
なぜ初心者の方やつみたて投資が向いていると言われるのですか?
つみたて投資が初心者の方や、これから資産形成を始めたいと考えている方に向いていると言われるのには、いくつかの理由があります。
1. 少額から始めやすい
多くのつみたて投資では、毎月数百円や数千円といった少額から始めることができます。まとまった資金を用意する必要がないため、家計への負担を抑えながら無理なくスタートすることが可能です。
2. 購入のタイミングに悩まなくて済む(時間の分散効果)
投資の世界では、「いつ買うか」というタイミングを見極めるのが難しいとよく言われます。価格が高い時に買ってしまうと、その後値下がりして損失が出てしまうこともあります。
つみたて投資では、毎月決まったタイミングで機械的に買い付けを行います。価格が高い時も安い時も同じ金額を買い続けることになるため、購入単価が平均化される効果が期待できます。これを「ドルコスト平均法(Dollar Cost Averaging)」と呼びます。長期的に見ると、高値掴みのリスクを抑えることにつながると考えられています。
3. 投資の手間がかかりにくい
一度つみたての設定をしてしまえば、後は自動的に買い付けが行われます。日々の価格変動を気にしたり、売買のタイミングを自分で判断したりする必要がありません。忙しい方でも、継続して資産形成に取り組むことができます。
4. 複利の効果が期待できる
つみたて投資で得られた運用益を、再び投資に回すことで、「複利」の効果が期待できます。運用益が新たな利益を生み出すことで、雪だるま式に資産が増えていく可能性があります。長期にわたって継続することで、この複利効果をより大きく得られることが期待できます。
つみたて投資を始める前に知っておきたいこと
つみたて投資はメリットが多い一方で、いくつか注意しておきたい点もあります。
1. 元本保証はありません
つみたて投資は預貯金とは異なり、運用成果によって資産が増減します。投資した金額(元本)が保証されているわけではなく、市場の状況によっては元本を下回る可能性もあります。
2. 短期間で大きく増える可能性は低い
つみたて投資は、じっくりと時間をかけて資産を増やしていくことを目的とした方法です。短期間で大きな利益を得ることは基本的に期待できません。特に始めたばかりの頃は、資産の増減が少なく感じるかもしれません。
3. 手数料がかかる場合があります
つみたて投資を行う際には、購入時手数料や運用管理費用(信託報酬)などの手数料がかかる場合があります。これらの手数料は、運用成果に影響を与えるため、事前に確認しておくことが大切です。最近では、購入時手数料無料の金融商品も増えています。
つみたて投資を始めるステップ
つみたて投資を始めるのは、思っているよりも難しくありません。大まかなステップをご紹介します。
ステップ1:金融機関を選ぶ
つみたて投資は、証券会社や銀行などの金融機関で始めることができます。金融機関によって取り扱っている金融商品やつみたての最低設定金額、手数料などが異なります。インターネット専業の証券会社は、手数料が比較的安く、多様な商品を取り扱っていることが多い傾向にあります。ご自身の利用しやすさや、検討したい商品があるかなどを基準に選びましょう。
ステップ2:口座を開設する
選んだ金融機関で、つみたて投資を行うための口座(証券口座など)を開設します。オンラインでの手続きが可能な場合が多く、本人確認書類などを提出する必要があります。
ステップ3:積立設定と金融商品を選ぶ
口座が開設できたら、毎月いくら積み立てるか、いつ積み立てるか、そしてどの金融商品に投資するかを設定します。金融商品には様々な種類がありますが、つみたて投資では「投資信託」が一般的です。投資信託とは、多くの投資家から集めた資金を一つにまとめ、運用の専門家が株式や債券などに投資・運用する商品のことです。一つの投資信託で複数の資産に分散投資できるものも多く、初心者の方にも選びやすいと考えられます。どんな商品があるのか、説明をよく読んで理解することが重要です。
ステップ4:積立を開始する
設定が完了すれば、指定したタイミングで自動的に買い付けが始まります。後は、定期的に運用状況を確認し、必要に応じて設定を見直しながら、長く続けることが大切です。
継続が大切です
つみたて投資は、時間を味方につけることで効果を発揮しやすい方法です。短期的な価格変動に一喜一憂せず、定めた目標に向かってコツコツと続けることが成功の鍵となります。まずは無理のない金額から始めて、つみたて投資を資産形成の手段の一つとして活用してみてはいかがでしょうか。