【初心者向け】始めた投資の状況確認ガイド 証券口座の画面の見方
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「よし、資産運用を始めてみよう!」と一歩踏み出し、NISAやつみたて投資枠などで投資信託などの購入を始めたものの、その後「自分の資産がどうなっているのか、どこを見ればいいのか分からない」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。
特に、オンラインの証券口座の画面は、普段見慣れない情報が多く表示されていて、少し難しく感じることもあるでしょう。
この記事では、資産運用を始めたばかりの方向けに、自分の資産が現在どのような状況にあるのかを確認するための基本的な方法や、証券口座の画面で見るべきポイントを分かりやすく解説します。
なぜ資産運用の状況を確認する必要があるのでしょうか?
長期の資産形成を目指す上で、毎日のように株価をチェックする必要はありません。しかし、自分の資産が今どうなっているのかを定期的に確認することには、いくつかの大切な意味があります。
- 目標との比較: 最初にお金の目標(例:老後資金として〇〇万円を貯めたい)を設定したかと思います。現在の資産状況が、その目標に対して順調に進んでいるか、あるいは遅れているかを確認することで、今後の積立額や運用方法を見直すきっかけになります。
- 資産のバランス確認(リバランスの検討): 複数の商品に投資している場合、運用しているうちにそれぞれの資産の割合が変わってきます。最初に決めた「理想のバランス」から大きく崩れていないかを確認し、必要に応じて調整(リバランス)を検討するためにも状況把握は大切です。
- お金への意識向上: 定期的に自分の資産と向き合うことで、お金に対する意識が高まり、無駄な支出を減らしたり、さらなる収入アップを考えるきっかけにもなります。
難しく考える必要はありません。まずは「今、自分の資産がどうなっているのか」を知るところから始めてみましょう。
証券口座の画面で見るべき基本的なポイント
証券口座のウェブサイトやアプリにログインすると、さまざまな情報が表示されますが、初心者がまず確認すべき基本的な項目は限られています。多くの証券会社で共通して表示されることが多い項目を中心に見ていきましょう。
1. 資産残高(合計資産)
これは、現在あなたが持っている全ての金融資産(株式、投資信託、現金など)の合計金額です。この数字が増えているか減っているかで、資産全体がプラスになっているかマイナスになっているかの大まかな状況が分かります。
2. 評価額
評価額とは、保有している投資信託や株式などの金融資産を、現在の市場価格で評価した金額です。購入した時の金額(取得価額)から、値上がり・値下がりによって日々変動します。
3. 評価損益(評価益・評価損)
評価損益とは、現在の評価額と購入した時の金額(取得価額)の差額です。 * 評価益: 評価額が取得価額を上回っている場合(含み益) * 評価損: 評価額が取得価額を下回っている場合(含み損)
この数字を見れば、現在、投資しているお金が全体としてどれくらい増えているか(または減っているか)が分かります。「含み益が出ている」というのは、もし今売却すれば利益が出る状態、「含み損が出ている」というのは、もし今売却すれば損失が出る状態ということです。ただし、実際に売却するまでは「含み」の損益であり、確定したものではありません。
4. 損益率
損益率は、取得価額に対して、評価損益がどれくらいの割合かを示したものです。
損益率 (%) = (評価損益 ÷ 取得価額) × 100
例えば、10万円で購入した資産の評価額が11万円になっていれば、評価損益は1万円、損益率は10%となります。この率を見ることで、投資額に対してどれくらいのパフォーマンスが出ているかを相対的に把握できます。
5. 資産構成・ポートフォリオ
これは、あなたが投資しているお金が、どのような種類の資産(国内株式、海外株式、投資信託、債券など)に、それぞれどのくらいの割合で配分されているかを示したものです。円グラフなどで表示されることが多いです。 「分散投資」の考え方に基づき、複数の資産に分けて投資している場合、この画面で現在の資産のバランスを確認できます。最初に「株式50%、債券50%」のようにバランスを決めた場合、運用が進むにつれて割合が変わってきます。この画面を見れば、現在のバランスがどうなっているかを知ることができます。
どのくらいの頻度で状況を確認すれば良いでしょうか?
長期的な資産形成を目的としている場合、毎日のように確認する必要はありません。市場の価格は日々変動するため、短い期間の値動きに一喜一憂してしまうとかえって不安になることがあります。
初心者のうちは、月に一度、あるいは3ヶ月に一度程度の頻度で確認するのが良いでしょう。例えば、給料日や特定の月末など、定期的に確認する日を決めておくと習慣化しやすいです。
確認する際は、短期的な値動きだけでなく、最初に設定した目標額に対して順調に進んでいるか、資産のバランスが大きく崩れていないかなど、より大きな視点で捉えることを意識してみてください。
状況確認で大切なこと
- 短期的な値動きに惑わされない: 投資は「時間」を味方につけることで成果が出やすいものです。一時的に含み損が出ていても、慌てて売却せず、長期的な視点を持ち続けることが大切です。
- 目標を思い出す: なぜ投資を始めたのか、どのような目標があるのかを定期的に思い出すことで、日々の値動きに一喜一憂せず、落ち着いて運用を続けることができます。
- 完璧を目指さない: 始めたばかりの頃は、画面の見方や表示されている数字の意味がすぐに理解できなくても大丈夫です。少しずつ慣れていけば良いのです。まずは「評価額」「評価損益」といった基本的な項目から見ていくことから始めましょう。
まとめ
資産運用を始めたら、定期的に自分の資産状況を確認することが大切です。証券口座の画面では、「資産残高」「評価額」「評価損益」「損益率」「資産構成」といった項目を見ることで、現在の状況を把握できます。
最初は難しく感じるかもしれませんが、月に一度程度、リラックスして画面を開き、ご自身の資産がどのように育っているのかを見てみましょう。これが、長期的な資産形成を成功させるための大切な一歩となります。
もし、画面の見方や分からない用語があれば、証券会社のウェブサイトのヘルプを見たり、カスタマーサポートに問い合わせてみるのも良い方法です。一歩ずつ、確実にお金と向き合っていきましょう。