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【初心者向け】定年後の生活とお金 保険の基本から見直し方を分かりやすく解説

Tags: 保険, 定年後, 老後資金, 保険見直し, 保障

定年後の生活に漠然とした不安を感じている方にとって、「お金」は特に気になるテーマではないでしょうか。公的年金や退職金、ご自身で積み立てたNISAやiDeCoなど、さまざまな資金をどのように管理し、使っていくかを考えることはとても大切です。

しかし、お金の準備と同じくらい大切なのが、「もしも」の時に備えることです。病気やケガ、介護が必要になった時など、予測できない事態が発生した場合、家計に大きな影響を与える可能性があります。こうしたリスクに備える一つの方法が「保険」です。

今、加入している保険は、若い頃や働き盛りの頃に加入したものかもしれません。定年後の生活を考えた時に、その保険が今の自分にとって本当に必要なのか、保障は十分なのか、あるいは払いすぎているのではないか、と感じる方もいらっしゃるでしょう。

この記事では、定年後の生活を見据えた保険の考え方について、初心者の方にも分かりやすく解説します。今からでもできる保険の見直しの基本を知り、将来への安心につなげていきましょう。

なぜ定年前に保険の見直しが必要なのか?

私たちは、人生の各ステージで必要なお金やリスクが変化します。若い頃は子育てや住宅購入など、大きな出費に備えつつ、病気や死亡時の収入保障を手厚く考えることが一般的です。しかし、定年が近づくにつれて、以下のような変化が起こります。

こうした変化に合わせて、加入している保険が現在の、そしてこれからのライフスタイルに合っているかを確認し、必要に応じて見直すことが大切になります。

定年後に必要になる可能性のある保障とは?

定年後の生活で、特に備えておきたい「もしも」には、以下のようなものが考えられます。

これらの費用に備えるために、医療保険、介護保険、死亡保険(特に終身保険や、整理資金のための少額短期保険など)が選択肢として考えられます。

今加入している保険を確認してみましょう

保険を見直す第一歩は、現在加入している保険を把握することです。

保険証券の見方が分からない場合は、保険会社のお客様センターに問い合わせたり、保険会社のウェブサイトで確認したりすることもできます。

保険見直しの基本的なステップ

現在の保険が把握できたら、定年後を見据えた見直しを行います。

  1. 定年後の生活で必要となる保障額を考える: 前述の医療費や介護費用など、「もしも」の事態に備えて、公的制度でカバーできない部分をいくらくらい準備しておきたいかを考えます。預貯金や他の資産で十分に備えができている場合は、保険で準備する金額を抑えられるかもしれません。
  2. 現在の保険の保障内容と保険料をチェックする: 今入っている保険で、定年後に必要となる保障がどの程度カバーできるかを確認します。保障が不足しているのか、あるいは反対に過剰なのかを見極めます。また、保険料が定年後の収入で無理なく支払える金額かどうかも重要なポイントです。
  3. 必要に応じて保険の保障内容や保険料を見直す:
    • 保障が過剰な場合: 不要になった保障(例: 高額な死亡保障)を解約したり、減額したりすることを検討します。ただし、解約返戻金(解約時に戻ってくるお金)が払い込んだ保険料の総額より少なくなる場合や、一度解約すると再び加入するのが難しくなる場合があるため、慎重な判断が必要です。定期保険であれば、更新せずそのまま満期を迎えるという選択肢もあります。
    • 保障が不足している場合: 新たに保険に加入したり、既存の保険に特約をつけたりすることを検討します。ただし、年齢が上がると保険料は高くなる傾向があり、健康状態によっては加入が難しくなることもあります。
    • 保険料を抑えたい場合: 保障内容をシンプルにする、保険期間を見直す、払済保険(これ以上保険料を払い込まずに、その時点での解約返戻金をもとに保障額を減らして継続する)にする、といった方法が考えられます。

見直し時の注意点

保険を見直す際には、いくつかの注意点があります。

まとめ

定年後の生活を見据えた保険の見直しは、将来の不安を減らし、安心して暮らすための大切なステップです。まずはご自身の加入している保険を把握し、定年後に必要となりそうな保障について考えてみましょう。

保険の見直しは複雑に感じることもあります。ご自身だけで判断するのが難しい場合は、保険会社の担当者やファイナンシャルプランナーなど、お金の専門家に相談してみるのも一つの方法です。ただし、特定の保険商品を勧められる可能性があるため、ご自身の状況や希望をしっかり伝え、納得できるまで説明を聞くようにしてください。

計画的にお金と向き合い、賢く保険を活用することで、定年後の生活をより安心できるものにしていきましょう。