【初心者向け】終活ってお金も関係ある？知っておくべき基本
終活とお金、実は深い関係があるってご存知ですか？
「終活」という言葉を聞いたことはありますか？人生の終わりに向けて身辺整理や準備をすることを指しますが、これにはお金のことも大きく関わってきます。
定年後の生活や将来に漠然とした不安を感じている方の中には、「終活ってまだ早いのでは？」「何から始めれば良いか分からない」と感じている方もいらっしゃるかもしれません。
終活は、残りの人生をより良く生きるための前向きな活動です。そして、お金の準備や整理は、自分自身だけでなく、残される大切な家族のためにもとても重要になります。
この記事では、終活とお金がどのように関係するのか、そして今から知っておくべきお金の基本について分かりやすく解説します。
終活でなぜお金の整理が必要なのでしょうか？
終活におけるお金の準備や整理は、主に以下の目的のために必要となります。
- 将来の自分のため:
- 病気や介護が必要になった際の医療費や介護費用の備え
- 判断能力が低下した場合の財産管理の準備
- 希望する暮らしを最期まで送るための資金計画
- 残される家族のため:
- 葬儀やお墓にかかる費用の準備
- 遺された財産の整理（相続手続きなど）をスムーズにするため
- 家族が金銭的なことで困らないようにするため
- 相続を巡るトラブルを未然に防ぐため
人生の終盤には、医療費や介護費など、まとまったお金が必要になる可能性があります。また、ご自身が亡くなった後には、葬儀費用やお墓の費用、そして遺産を家族が引き継ぐための手続き（相続）が発生します。これらの手続きには時間と手間がかかり、お金に関する情報が整理されていないと、残された家族に大きな負担をかけてしまうことになります。
終活でお金に関する情報を整理し、必要な準備をしておくことは、「自分の人生の締めくくり方を自分で決める」ことでもあり、また「大切な家族への最後の配慮」とも言えるでしょう。
終活で確認・整理しておきたいお金のこと
終活の一環として、具体的にどのようなお金に関する事柄を確認し、整理しておけば良いのでしょうか。
1. 自分の財産全体を把握する
まずは、ご自身の財産がどれだけあるのか、リストアップしてみましょう。
- プラスの財産:
- 預貯金（普通預金、定期預金、ネット銀行なども含め全ての口座）
- 有価証券（株式、投資信託など）
- 保険（生命保険、医療保険、個人年金保険など）
- 不動産（自宅、土地など）
- 退職金や年金に関わる情報
- 貴金属、骨董品、自動車など換金可能なもの
- マイナスの財産（負債）:
- 住宅ローンやその他の借入金
- 未払いの税金や公共料金
これらをリスト化することで、ご自身の資産状況が明確になります。普段は意識していない口座や、契約内容を忘れてしまった保険などが見つかることもあります。
2. 必要な資金を見積もる
将来かかる可能性がある費用について、おおまかに見積もっておくことも大切です。
- 医療費・介護費: 高齢になるにつれて医療や介護が必要になる可能性は高まります。公的な制度もありますが、自己負担が発生する場合もあります。
- 葬儀費用: 葬儀の形式によって大きく異なりますが、ある程度の費用がかかります。
- お墓や供養に関する費用: 墓地の購入費用や管理費用、永代供養を選ぶ場合の費用など。
- 遺産整理費用: 不動産の名義変更や預貯金の解約など、相続手続きには費用がかかります。
これらの費用が、ご自身の財産でまかなえるのか、あるいは不足するのかを知ることは、今後の資産計画を立てる上で役立ちます。
3. 大切な人に財産情報を伝える準備をする
ご自身の財産について、ご家族など信頼できる人が分かるようにしておくことが非常に重要です。
- エンディングノートの活用: エンディングノートは法的な効力はありませんが、自分の財産情報（銀行口座、証券会社、保険会社、不動産情報など）や、希望する葬儀、介護、医療に関することなどを書き記しておくことで、残された家族が手続きを進める際の大きな助けとなります。
- デジタル遺品への対応: パソコンやスマートフォンの中にしか情報がないデジタル資産（ネット銀行、SNSアカウント、オンラインサービスのID・パスワードなど）についても、どう扱うか、誰に伝えるかを考えておく必要があります。
4. 相続の基本的な仕組みを知る
ご自身が亡くなった後、財産は相続人に引き継がれます。相続には民法で定められたルールがあります。誰が相続人になるのか（法定相続人）、遺産の分け方はどうなるのか（法定相続分）など、基本的な仕組みを知っておくことは、遺産分割をスムーズに進めるために役立ちます。
相続について漠然とした不安がある場合は、相続の基本的な解説書を読んでみたり、市町村の広報誌などで開催される無料相談会などを活用するのも良いでしょう。
5. 必要に応じて専門家への相談を検討する
財産が多く複雑な場合や、特定の相続人に多く渡したいなどの希望がある場合は、専門家への相談を検討しましょう。
- 弁護士: 相続を巡るトラブルの相談や、遺言書の作成サポート
- 税理士: 相続税に関する相談や申告
- 司法書士: 不動産の相続登記、預貯金の解約手続きなど
- ファイナンシャル・プランナー（FP）: ライフプラン全体を踏まえた資産計画、保険の見直しなど
専門家と聞くと構えてしまうかもしれませんが、初回無料相談などを実施しているところもあります。まずは情報収集として相談してみるのも良いかもしれません。
まとめ：終活は「今」から始めるお金の整理
終活とお金は密接に関わっています。お金の準備や整理は、将来の自分自身を支え、残される大切な家族の負担を減らすための重要なステップです。
特別な知識がなくても、まずはご自身の財産をリストアップし、「見える化」することから始めてみましょう。エンディングノートを活用して、大切な情報をまとめておくことも有効です。
一度にすべてを終わらせる必要はありません。できることから少しずつ、ご自身のペースで進めていくことが大切です。終活を通してお金と向き合うことで、漠然とした将来への不安が軽減され、今をより安心して過ごせるようになるはずです。