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【初心者向け】お金はどう増える?利子・配当・分配金・売却益の仕組みと違い

Tags: お金の増やし方, 資産運用, 利子, 配当, 分配金, 売却益

「将来のために、少しでもお金を増やしたい」と考えている方は多いのではないでしょうか。銀行に預ける以外にも、株式投資や投資信託など、お金を増やすための方法はいくつかあります。

しかし、「利子」「配当」「分配金」「売却益」など、お金が増える仕組みを指す様々な言葉があり、それぞれの意味や違いがよく分からないと感じるかもしれません。

この記事では、お金が増える代表的な4つの仕組み「利子」「配当」「分配金」「売却益」について、初心者の方にも分かりやすく解説します。それぞれの特徴や、どんな金融商品と関係があるのかを理解することで、ご自身に合ったお金の増やし方を考えるヒントが得られるでしょう。

お金が増える代表的な4つの仕組み

私たちが持っているお金は、銀行に預けたり、株式や投資信託などの金融商品に変えたりすることで、様々な形で増える可能性があります。その中でも、特に知っておきたい代表的なお金の増え方は、以下の4つです。

  1. 利子(利息)
  2. 配当(配当金)
  3. 分配金
  4. 売却益(譲渡益)

これらは、それぞれ異なる仕組みで私たちにお金をもたらします。一つずつ見ていきましょう。

1. 利子(利息)とは

仕組み

「利子(または利息)」は、お金を貸したり預けたりしたことに対して支払われる「賃料」のようなものです。銀行にお金を預けると利子がつくのが最も身近な例でしょう。銀行は預かったお金を企業などに貸し出し、その収益の一部を預金者に還元します。

また、国や企業が資金を集めるために発行する「債券」という仕組みでも利子が得られます。債券は、満期になると元本が戻ってくる借用証書のようなもので、持っている間は定期的に利子が支払われます。

特徴と関係する金融商品

2. 配当(配当金)とは

仕組み

「配当(または配当金)」は、企業が事業で得た利益の一部を、その企業の株式を持っている人(株主)に分配するお金です。企業がしっかり利益を出している場合、定期的に(通常は年に1回または2回)支払われます。

特徴と関係する金融商品

3. 分配金とは

仕組み

「分配金」は、主に投資信託の運用によって得られた収益の一部を、投資信託を持っている人(受益者)に分配するお金です。投資信託は、多くの人から集めたお金を一つにまとめ、運用の専門家が株式や債券などに投資・運用する仕組みです。運用で得られた利子や配当、株式などを売買して得た利益などが投資信託の中に貯まり、その中から定期的に(毎月、隔月、年1回など商品によって異なります)分配金として支払われます。

分配金には、運用によって得られた収益から支払われる「普通分配金」と、運用による収益が出ていないにも関わらず、投資した元本の一部を取り崩して支払われる「特別分配金(元本払戻金)」があります。特別分配金は、見かけ上お金が増えたように見えますが、実際には自分が投資したお金が戻ってきただけなので注意が必要です。

特徴と関係する金融商品

4. 売却益(譲渡益)とは

仕組み

「売却益(または譲渡益)」は、持っている資産を、買った時の値段よりも高い値段で売却することによって得られる利益です。例えば、100万円で買った株式が120万円に値上がりした時に売却すれば、差額の20万円が売却益となります。

特徴と関係する金融商品

4つの仕組みの比較

| 仕組み | どんな収入? | 主に関係する金融商品 | 安定性(一般的な傾向) | リスク(一般的な傾向) | | :--------- | :------------------------------------------ | :----------------------------- | :--------------------- | :--------------------- | | 利子 | 預けたり貸したりしたお金の賃料 | 預金、債券 | 比較的安定 | 比較的低い | | 配当 | 企業の利益分配 | 株式 | 企業の業績次第 | 中程度〜高い | | 分配金 | 投資信託の運用収益(または元本の一部)の分配 | 投資信託 | 運用成果次第 | 中程度〜高い | | 売却益 | 資産を買値より高く売った時の利益 | 株式、投資信託、不動産、債券など | 不安定(売却時) | 資産の種類による |

※これは一般的な傾向であり、個別の商品や市場環境によって異なります。

なぜこれらの違いを知ることが大切なのでしょうか?

お金が増える仕組みには、大きく分けて「インカムゲイン(資産を持っていることで継続的に得られる収益)」と「キャピタルゲイン(資産を売買することで一度に得られる収益)」があります。

あなたが「毎月(または毎年)一定の収入を得たい」のか、「将来大きく資産を増やしたい」のかによって、選ぶべき金融商品や期待できる収入の形が変わってきます。

例えば、

このように、それぞれの仕組みを理解することは、どんな金融商品が自分の目的に合っているのかを判断するための第一歩となります。

まとめ

お金が増える仕組みには、「利子」「配当」「分配金」「売却益」という代表的なものがあります。これらは、預金、株式、投資信託といった異なる金融商品と深く関わっており、それぞれに得られる収入の形やリスク、安定性が異なります。

ご自身が「どのような目的で」「どのくらいの期間」「どれくらいのリスクで」お金を増やしたいのかを考える際には、今回ご紹介した仕組みの違いをぜひ参考にしてみてください。

「お金のきほんガイド」では、これらの仕組みに関わる様々な金融商品や具体的な方法についても、さらに詳しく解説する記事をご用意しています。ご自身のペースで学びながら、着実にお金を増やしていくための一歩を踏み出しましょう。