【初心者向け】家計簿アプリのきほん 失敗しない選び方と使い方
「毎月、何にいくら使っているのか、いまいち把握できていない…」「将来のためにお金を貯めたいけれど、どう管理すれば良いのか分からない」
このように、お金の管理に対して漠然とした不安を感じている方は多いのではないでしょうか。特に、定年後の生活を見据え始めると、日々の支出や貯蓄をもっとしっかり管理したい、と考える方もいらっしゃるでしょう。
お金の管理と聞くと、「家計簿をつけなきゃ」と思うかもしれません。しかし、紙の家計簿は続かない、計算が面倒、と感じている方もいらっしゃるかもしれません。
そこでおすすめしたいのが、「家計簿アプリ」の活用です。家計簿アプリは、パソコンやスマートフォンを使って手軽にお金の出入りを記録・管理できる便利なツールです。
この記事では、家計簿アプリが初めての方に向けて、その基本的な仕組みから、自分に合ったアプリの選び方、そして毎日の生活に取り入れるための簡単な使い方までを分かりやすく解説します。
家計簿アプリとは?
家計簿アプリは、収入や支出をデジタルで記録し、集計や分析を自動で行ってくれるアプリケーションソフトのことです。スマートフォンやタブレット、パソコンなど、お使いのデバイスにインストールして利用できます。
主な機能としては、以下のようなものがあります。
- 収入・支出の記録: 日々のお金を使った記録や、お給料などの収入を記録できます。手入力だけでなく、後述する連携機能やレシートの自動読み取り機能を持つアプリもあります。
- 費目ごとの分類: 食費、日用品、光熱費など、お金を使った項目ごとに自動または手動で分類できます。
- 集計とグラフ化: 記録したデータを月ごとや費目ごとに自動で集計し、分かりやすいグラフで表示してくれます。
- 予算管理: あらかじめ費目ごとに予算を設定し、それに対する実際の支出状況を確認できます。
- 資産の管理: 銀行口座やクレジットカード、証券口座などと連携させることで、現在の資産状況(預金残高、投資額など)を一元管理できるアプリもあります。
家計簿アプリを使うメリット
なぜ、今、家計簿アプリを使うことがおすすめなのでしょうか。主なメリットをいくつかご紹介します。
1. お金の流れを「見える化」できる
最大のメリットは、自分のお金が「いつ」「どこから入って」「何に」「いくら使われたのか」がはっきりと分かるようになることです。グラフなどで視覚的に確認できるため、何に無駄遣いが多いか、どこを節約できるかなどが一目で把握しやすくなります。
2. 記録や集計が手軽で効率的
紙の家計簿のように手書きで記録し、電卓で計算する必要がありません。スマートフォンで簡単に入力できたり、銀行口座などと連携すれば自動で取引情報が取り込まれたりするため、記録にかかる手間を大幅に減らすことができます。自動で集計してくれるので、月末の締め作業も楽になります。
3. いつでもどこでも確認できる
スマートフォンさえあれば、通勤時間や休憩中など、場所を選ばずに家計の状況を確認できます。買い物の途中で予算をチェックしたり、過去の支出を振り返ったりすることも簡単です。
4. 予算管理や目標設定に役立つ
家計の状況が正確に把握できれば、無理のない範囲で節約の目標を立てたり、将来のための貯蓄計画を立てたりするのに役立ちます。「老後資金のために毎月〇円貯めたいから、食費は〇円以内に抑えよう」といった具体的な行動につながりやすくなります。
5. 資産全体を把握しやすくなる(連携機能がある場合)
複数の銀行口座やクレジットカード、証券口座、さらにはポイントカードや電子マネーなどを利用している場合でも、連携機能を使えばそれらを一つのアプリ内でまとめて管理できます。自分の資産全体が今どうなっているのかを把握しやすくなります。
家計簿アプリの主な機能と種類
家計簿アプリには様々な機能があり、それに伴っていくいくつかの種類に分けられます。
入力方法による違い
- 手入力中心型: 自分で金額と費目を一つずつ入力していくタイプです。シンプルで、何に使ったかを記録する習慣をつけたい方や、連携に抵抗がある方に向いています。
- 連携中心型: 銀行口座、クレジットカード、電子マネー、証券口座などと連携させることで、取引情報を自動で取り込むことができるタイプです。入力の手間が省け、記録漏れを防ぎやすいのが特長です。最近のアプリの多くはこの連携機能を搭載しています。
- レシート読み取り型: スマートフォンのカメラでレシートを撮影すると、日付や金額、品目を自動で読み取ってくれる機能を持つタイプです。
利用料金による違い
- 無料版: 基本的な機能が無料で利用できます。まずは試してみたい方におすすめです。機能に制限がある場合が多いです。
- 有料版(プレミアム機能): 無料版の機能に加え、連携できる金融機関の数を増やせたり、より詳細な分析ができたり、広告が非表示になったりするなど、高度な機能が利用できます。本格的に活用したい方向けです。
自分に合った家計簿アプリを選ぶポイント
数多くの家計簿アプリの中から、自分に合ったものを選ぶにはどうすれば良いでしょうか。いくつかのポイントをご紹介します。
1. 連携機能は必要か?
お使いの銀行やクレジットカードが連携対象になっているかを確認しましょう。自動連携を使いたい場合は、この点が最も重要になります。連携を使わず手入力で管理したいのであれば、連携機能の有無は気にしなくて構いません。
2. 入力や画面の見やすさ、使いやすさ
アプリのデザインや操作性は、継続できるかどうかを大きく左右します。いくつか気になるアプリをインストールしてみて、実際に触ってみましょう。入力画面はシンプルか、集計グラフは分かりやすいか、などを確認してください。パソコンでも管理したい場合は、PC版が提供されているかも確認しましょう。
3. 必要な機能は揃っているか?
家計簿をつける目的によって、必要な機能は異なります。 * ただ支出を記録したいだけなら、シンプルな機能で十分です。 * 資産全体を把握したいなら、連携機能が充実しているものが良いでしょう。 * 特定の費目の使いすぎを防ぎたいなら、予算管理機能やアラート機能があると便利です。
4. セキュリティ対策はしっかりしているか?
連携機能を利用する場合、金融機関のログイン情報などを登録することになります。アプリ提供会社のセキュリティ対策がしっかりしているか、プライバシーマークを取得しているかなどを確認することも大切です。不安な場合は、連携機能を使わない手入力タイプを選ぶという選択肢もあります。
5. 利用料金は予算に合っているか?
まずは無料版で試してみるのがおすすめです。使っているうちに「もっとこういう機能が欲しい」と感じたら、有料版を検討すると良いでしょう。
家計簿アプリを使い始めるステップ
家計簿アプリの選び方が分かったら、実際に使い始めてみましょう。ここでは一般的なステップをご紹介します。
ステップ1:アプリを選ぶ 上記のポイントを参考に、いくつか候補を絞り、まずは無料版を試してみましょう。
ステップ2:ダウンロードと初期設定 選んだアプリをスマートフォンやパソコンにダウンロードしてインストールします。氏名や生年月日などの基本情報の登録、収入源の設定、よく使う費目の設定など、案内に従って初期設定を行います。
ステップ3:記録を始める ここからが本格的なスタートです。 * 手入力の場合: お金を使ったら、その都度(難しければ1日の終わりにまとめてでもOK)金額と費目を入力します。 * 連携の場合: 銀行口座やクレジットカードなどの情報を登録し、連携設定を行います。一度設定すれば、自動的に取引情報が取り込まれます。連携できない支出(現金払いなど)は手入力で補う必要があります。
ステップ4:定期的に確認・振り返り ただ記録するだけでなく、定期的に集計結果やグラフを見て、自分のお金の流れを把握することが重要です。週に一度、あるいは月に一度など、自分のペースで確認する習慣をつけましょう。
ステップ5:予算設定と目標の見直し 家計の状況が把握できるようになってきたら、費目ごとに予算を設定してみましょう。予算と実際の支出を比較することで、使いすぎている項目や節約できる項目が見えてきます。必要に応じて予算や貯蓄目標を見直しましょう。
家計簿アプリを使う上での注意点
家計簿アプリは便利なツールですが、使う上でいくつか注意しておきたい点があります。
- 完璧を目指しすぎない: 最初から全ての支出を完璧に記録しようとすると、疲れてしまい挫折する可能性があります。まずは記録できるものから始め、慣れてきたら精度を上げていくようにしましょう。
- 連携機能のセキュリティ: 連携機能は便利ですが、万が一の情報漏洩のリスクもゼロではありません。信頼できる運営会社のアプリを選ぶこと、二段階認証などのセキュリティ設定を活用することなどが大切です。
- あくまでツールである: 家計簿アプリは、お金の流れを記録し、「見える化」するためのツールです。アプリを入れただけでお金が貯まるわけではありません。記録されたデータを見て、自分自身の支出行動を見直したり、改善策を実行したりすることが、お金の管理を成功させる鍵となります。
まとめ
家計簿アプリは、日々の収入や支出を簡単に記録し、お金の流れを「見える化」するための非常に有効なツールです。特に、これまで家計管理をあまりしてこなかった方や、紙の家計簿が続かなかった方にとって、手軽に始められるデジタル家計簿はおすすめです。
アプリを選ぶ際は、ご自身の目的や使い方に合わせて、連携機能の有無、使いやすさ、必要な機能、セキュリティなどを考慮しましょう。
まずは一つのアプリを試してみて、無理のない範囲で記録を始めてみてください。お金の「見える化」が進むことで、家計に対する漠然とした不安が減り、将来に向けたお金の計画を立てる一歩につながるはずです。
家計簿アプリを上手に活用して、安心できるお金の管理を目指しましょう。