初めての資産運用は何から始める?初心者向けステップガイド
初めての資産運用は何から始める?初心者向けステップガイド
「そろそろ資産運用を考えた方が良いのかな?」 「でも、投資ってなんだか難しそうだし、損をするのも怖い…」
もしあなたが、このように感じているのであれば、ご安心ください。資産運用と聞くと専門的なイメージがあるかもしれませんが、基本から理解すれば、決して難しいものではありません。
この記事では、資産運用を始めたいけれど何から手をつければ良いか分からないという初心者の方に向けて、資産運用が必要とされる理由から、具体的な始め方までを分かりやすく解説します。
なぜ今、資産運用が必要なのでしょうか?
かつては銀行にお金を預けておけば、高い金利で効率的に貯蓄を増やすことができました。しかし、現在の日本では非常に金利が低いため、銀行預金だけでお金を大きく増やすことは難しくなっています。
また、人生100年時代と言われるように、私たちの寿命は延びています。一方で、公的な年金制度だけでは、将来の生活費をすべて賄えるか不透明だという声も聞かれます。
このような状況の中、将来の自分や家族の生活を守るため、またインフレ(物価上昇)によってお金の価値が目減りするのを防ぐためにも、計画的に資産を育てていく「資産運用」の重要性が高まっています。
資産運用とは?貯蓄との違い
資産運用とは、今持っているお金(資産)を、将来的に増やしていくことを目指して運用することです。株式、投資信託、不動産など、様々な対象があります。
一方、「貯蓄」は、銀行預金のように、元本(預けたお金そのもの)が保証されており、安全に保管することを目的とします。金利は低いですが、必要な時にすぐに引き出せる流動性が高いのが特徴です。
資産運用は、基本的に元本保証はありません。価格が変動するリスクがありますが、うまくいけば貯蓄よりも高いリターン(収益)を得られる可能性があります。つまり、資産運用は「リスクをとってお金を増やすことを目指す活動」と言えるでしょう。
初心者が知っておきたい資産運用の基本原則
資産運用には様々な方法がありますが、特に初心者の方が知っておきたい基本原則として、以下の3つが挙げられます。
- 長期: 短期間の値動きに一喜一憂せず、長い時間をかけてじっくりと資産を育てること。これにより、複利効果(運用益がさらなる運用益を生むこと)が働きやすくなります。
- 積立: 一度にまとまった金額を投資するのではなく、毎月一定額をコツコツと投資していくこと。これにより、購入価格を平準化する効果(ドルコスト平均法)が期待できます。価格が高い時には少なく買い、安い時には多く買うことになるため、高値掴みのリスクを減らせます。
- 分散: 一つの金融商品や一つの国・地域に集中して投資するのではなく、複数の種類や地域の資産に分けて投資すること。これにより、どれか一つの資産の価格が大きく下落しても、資産全体への影響を抑えることができます。
これらの原則を意識することで、リスクを抑えながら、安定した資産形成を目指しやすくなります。
初心者が始めやすい資産運用方法
資産運用と聞くと、自分で株を選んで売買するイメージがあるかもしれませんが、初心者の方が取り組みやすい方法もたくさんあります。特におすすめなのは、「投資信託」を活用した方法です。
投資信託とは?
投資信託は、多くの投資家から集めたお金を一つにまとめ、運用の専門家(ファンドマネージャー)が株式や債券など、様々な資産に投資・運用する商品です。運用成果は、投資額に応じて各投資家に分配されます。
- メリット:
- 少額から始められるものが多いです。
- 専門家が運用してくれるため、自分で個別の投資対象を選ぶ知識や時間は不要です。
- 最初から分散投資されている商品が多く、リスクを抑えやすいです。
- デメリット:
- 運用には手数料がかかります(購入時、保有中、換金時など)。
- 元本保証はありません。
国の制度を活用する「NISA」「iDeCo」
投資信託を利用する際、ぜひ検討したいのが、国が設けている税制優遇制度である「NISA(ニーサ)」や「iDeCo(イデコ)」です。
- NISA(少額投資非課税制度): 投資から得られる運用益(分配金や売却益)に税金がかからない制度です。一定の非課税投資枠が決まっています。
- iDeCo(個人型確定拠出年金): 自分で掛金を積み立て、運用方法を選び、将来受け取る年金を作る制度です。掛金が全額所得控除になるなど、強力な税制優遇があります。原則として、60歳まで引き出すことはできません。
これらの制度を利用することで、税金がかからず、より効率的に資産を増やすことが期待できます。ご自身の状況や目的に合わせて、どちらか一方、あるいは両方を活用することを検討してみると良いでしょう。
資産運用を始める前の準備
実際に資産運用を始める前に、いくつか確認しておきたいことがあります。
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目的と目標額を設定する: 「いつまでに」「何のために」「いくらくらい」必要なのかを具体的に考えてみましょう。例えば、「10年後に使う車の買い替え資金として100万円」「老後資金として30年後に2000万円」などです。目標が明確になると、どのような運用方法が適しているかが見えやすくなります。
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リスク許容度を確認する: 資産運用には価格変動のリスクが伴います。もし価格が下がった場合、どの程度までなら受け入れられるか、ご自身の性格や家計の状況を踏まえて考えてみましょう。「価格が少しでも下がるのは嫌だ」という方もいれば、「一時的に大きく下がっても長期で回復するなら気にしない」という方もいます。リスク許容度によって、選ぶべき金融商品の種類やリスクの高さが変わってきます。
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生活防衛資金を確保する: 病気や失業など、予期せぬ出来事に備えて、すぐに使えるお金(生活防衛資金)を確保しておくことが非常に重要です。一般的には、生活費の3ヶ月~1年分程度を目安に、普通預金などに置いておくと安心と言われています。この資金を確保した上で、余剰資金で資産運用を行うようにしましょう。
まずは小さな一歩から
資産運用は、すぐに大きな成果が出るものではありません。しかし、時間を味方につけて、基本に忠実に取り組むことで、将来に向けた確かな資産形成につながる可能性が高まります。
最初から大きな金額で始める必要はありません。少額から始めてみて、慣れてきたら少しずつ金額を増やしていくことも可能です。分からないことや不安なことは、信頼できる情報源で調べたり、専門機関に相談したりしながら、一歩ずつ進んでいきましょう。
資産運用は、特別な人だけが行うものではありません。将来のお金の不安を減らし、より豊かな人生を送るための有効な手段の一つです。この記事が、あなたが資産運用を始めるための一歩を踏み出すきっかけとなれば幸いです。