【初心者向け】毎月の支出を減らす! 固定費の見直し基本ガイド
老後資金や将来のお金について、漠然とした不安を感じていらっしゃる方は多いかもしれません。資産運用を始めたい、貯蓄を増やしたいと考えつつも、「何から手を付けたら良いか分からない」と感じている方もいらっしゃるでしょう。
お金を増やす方法に注目が集まりがちですが、実は、まずは「支出を減らす」ことから始めるのが、お金に関する不安を解消し、将来への準備を進めるための堅実な第一歩となります。特に、毎月(あるいは毎年)決まってかかる「固定費」の見直しは、一度行えばその効果が継続するため、非常に効果的な方法です。
この記事では、お金の管理初心者の方に向けて、固定費とは何か、なぜ見直しが重要なのか、そして具体的な見直しのステップについて、分かりやすく解説します。
固定費とは?変動費との違いを理解する
家計の支出は、大きく分けて「固定費」と「変動費」に分けられます。この違いを理解することが、効果的な家計管理の第一歩です。
- 固定費: 毎月あるいは毎年、金額がほぼ一定かかる支出です。例えば、家賃や住宅ローンの返済、通信費(スマートフォンの基本料金やインターネット回線費用)、保険料、定額制サービス(サブスクリプション)の利用料などがこれにあたります。一度契約すると、自分で手続きをしない限り、金額が大きく変わることはありません。
- 変動費: 毎月の支出額が変動する支出です。例えば、食費、水道光熱費(使用量によって変わる)、交通費、趣味・娯楽費、被服費、交際費などがこれにあたります。月によって支出額が増えたり減ったりします。
なぜ固定費の見直しが効果的なのでしょうか。それは、一度見直して金額を下げることができれば、毎月、あるいは毎年、自動的にその節約効果が続くからです。変動費の節約は日々の努力が必要ですが、固定費の削減は一度の努力で長期的なメリットが得られます。これは、特にまとまったお金を貯めたい方にとって、非常に強力な味方となります。
見直すべき代表的な固定費の項目
では、具体的にどのような固定費を見直すべきかを見ていきましょう。
通信費(スマホ、インターネット回線)
近年、スマートフォンの料金プランやインターネット回線のサービスは多様化しています。特に長年同じキャリアやプロバイダーと契約している場合、現在の契約内容がご自身の利用状況や最新の料金プランと比較して割高になっている可能性があります。
- スマホ料金: ご自身のデータ使用量や通話頻度に見合った料金プランになっているか確認しましょう。格安SIMやオンライン専用ブランドなど、より安価な選択肢も増えています。
- インターネット回線: 光回線、モバイルルーターなど、自宅の利用状況や他のサービスとのセット割引などを考慮して、よりコストパフォーマンスの良いサービスがないか検討してみましょう。
保険料
生命保険、医療保険、自動車保険、火災保険など、様々な保険に加入しているかもしれません。加入時は必要だと感じた保険も、ライフステージの変化(子供の独立、住宅ローンの完済など)によって、保障内容が見合わなくなったり、過剰になったりすることがあります。
- 現在加入している保険の保障内容や保険料を把握しましょう。
- 本当に必要な保障は何かを考え、不要な特約が付いていないか、あるいは複数の保険で保障が重複していないかなどを確認します。
- 保険の専門家やFP(ファイナンシャルプランナー)に相談して、現在の状況に最適な保険プランを見直すことも有効です。
サブスクリプションサービス(定額制サービス)
音楽、動画、雑誌、ソフトウェアなど、様々なサブスクリプションサービスがあります。気軽な気持ちで登録したものの、あまり利用していないサービスはありませんか?
- 毎月何のサブスクリプションに登録しているかをリストアップしてみましょう。
- それぞれのサービスを「本当に利用しているか」「利用頻度に見合った金額か」を正直に評価します。
- 利用頻度が低いものや、なくても困らないものは、解約を検討しましょう。無料期間が終わった後に自動的に課金されていないかも確認が必要です。
住居費(家賃、住宅ローン)
住居費は家計の中で大きな割合を占める固定費です。家賃の見直し(より安価な物件への引っ越し)や住宅ローンの借り換えなども、理論上は固定費の見直しにあたりますが、手続きが大掛かりであったり、大きな費用がかかったりする場合が多く、気軽に取り組めるものではありません。しかし、長期的な視点で見れば、検討する価値のある項目です。まずは現在の契約内容や金利を把握することから始めると良いでしょう。
その他
車の維持費(ローン、保険料、税金)、教育費(塾、習い事など)なども、固定費として見直しの対象となる場合があります。ご自身の家計に合わせて、毎月決まってかかる支出がないか確認してみてください。
固定費見直しの具体的なステップ
さて、実際に固定費を見直すには、どのように進めれば良いのでしょうか。
ステップ1:自分の固定費を「見える化」する
まずは、ご自身が毎月(または毎年)どのような固定費にいくら支払っているかを正確に把握することから始めます。
- クレジットカードの明細、銀行口座の引き落とし履歴、保険証券、サービスの契約書などを確認し、固定費に関わる支出をリストアップしてみましょう。
- 家計簿アプリやスプレッドシートなどを使って、項目ごとに金額を記録するのも有効です。
ステップ2:無駄がないか、適正価格か確認する
リストアップした固定費について、「本当に必要なサービスか」「現在の契約内容が自分の利用状況に合っているか」「もっと安価な選択肢はないか」を検討します。
- 通信費であれば、自分のスマホの利用データ量を確認し、契約プランと比較します。
- 保険であれば、現在の保障内容が必要十分か、過剰になっていないかを確認します。
- サブスクリプションであれば、最後に利用したのがいつかなどを思い出してみましょう。
- 他の会社の同じようなサービスと比較して、料金が適正か確認することも大切です。
ステップ3:契約内容の変更や解約を検討・実行する
見直しの結果、変更や解約が可能だと判断した項目について、具体的な手続きを進めます。
- スマートフォンのキャリア変更やプラン変更、インターネット回線の乗り換え。
- 保険会社への連絡や、保険代理店を通じた見直し相談、契約内容の変更手続き。
- 利用していないサブスクリプションサービスの解約手続き。
手続きには、ウェブサイト上で行えるもの、電話や窓口での対応が必要なものなど様々です。不明な点は、各サービスの問い合わせ窓口に確認しながら進めましょう。
ステップ4:定期的に見直しを行う
一度固定費を見直して終わり、ではなく、定期的に(例えば年に一度など)見直しを行う習慣をつけることが大切です。新しいサービスが登場したり、ご自身のライフスタイルが変化したりすることで、最適な契約内容も変わってくる可能性があるからです。
見直しを進める上での注意点
固定費の見直しは効果的ですが、いくつかの注意点があります。
- 安さだけにとらわれすぎない: 価格だけでなく、サービスの質や自分にとっての必要性もしっかり見極めましょう。例えば、通信費を安くしても、電波状況が悪くなったり、サポート体制が不十分になったりして不便を感じてしまうと、本末転倒です。
- 契約解除の条件を確認する: 契約期間の途中で解約する場合、違約金が発生することがあります。事前に契約書を確認するなどして、費用が発生しないか確認しましょう。
- 家族と相談する: 一人で契約しているサービスでない場合、ご家族の同意や協力が必要です。なぜ見直しが必要なのか、見直しによって何が変わるのかなどを丁寧に話し合いましょう。
- 無理のない範囲で進める: 一度に全ての固定費を見直そうとすると大変です。まずは通信費やサブスクリプションなど、比較的簡単な項目から取り組んでみるのがおすすめです。
まとめ
将来のお金に関する不安を解消し、資産形成を進めるためには、「支出を減らす」ことが非常に効果的な第一歩です。特に、毎月一定額かかる「固定費」は、一度見直せば継続的な節約効果が得られます。
この記事でご紹介した通信費、保険料、サブスクリプションサービスなどを中心に、まずはご自身の固定費を把握し、「無駄がないか」「もっと良い選択肢はないか」を検討してみましょう。そして、必要なステップを踏んで契約内容を変更したり、不要なサービスを解約したりしてみてください。
固定費の見直しは、派手さはないかもしれませんが、確実に家計を改善し、将来のための資金を着実に貯めるための強力な方法です。今日からできることとして、まずはご自身の固定費の項目を書き出してみることから始めてみてはいかがでしょうか。