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【初心者向け】時間がお金を生む?複利の仕組みと老後資金準備への活かし方

Tags: 複利, 資産運用, 老後資金, 初心者, 積立投資

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将来の生活資金や老後のお金について、漠然とした不安を感じていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。「ただ貯めるだけでは心もとないけれど、どうすればいいのか分からない」というお悩みをお持ちかもしれません。

この記事では、そんな不安を少しでも解消し、お金を効率的に増やすための基本的な考え方の一つである「複利(ふくり)」について、初心者の方にも分かりやすく解説します。複利の仕組みを知ることは、特に長期間で資産を増やしたいと考えている方にとって、とても重要です。

複利とは? 単利との違い

まず、お金を増やしていく上で知っておきたい基本的な考え方に「利子(りし)」や「運用益(うんようえき)」があります。銀行預金であれば「利息」、投資信託などであれば「分配金」や「売却益」など、様々な形でお金が増える可能性があります。

この増えたお金(利子や運用益)を、その都度受け取らずに、元のお金(元本:がんぽん)に加えて、再び運用することを「複利」と言います。

一方、増えたお金を毎回受け取ってしまうのが「単利(たんり)」です。

簡単な例で考えてみましょう。

例えば、100万円を年利3%で運用するとします。

このように、複利では、増えたお金が次回の運用対象に組み込まれるため、「お金がお金を生んで、それがまたお金を呼ぶ」というように、雪だるま式に増えていく可能性があるのです。

なぜ複利が重要なのか? 長期投資の効果

先ほどの例では、短期間では単利と複利の差はわずかでした。しかし、これが10年、20年、30年と長期になるほど、複利の効果は大きくなります。

例えば、同じ年利3%でも、30年間運用した場合、

いかがでしょうか。同じ年利、同じ元本、同じ期間でも、単利と複利では将来のお金の額に大きな差が出ることが分かります。

特に、定年後の生活資金など、準備に時間が必要な目標に対しては、この複利の力が非常に有効に働きます。時間は、複利の効果を最大限に引き出すための重要な味方となるのです。

「アインシュタインは複利を人類最大の発明と言った」という有名な話がありますが、それほど複利は、お金を長期的に増やしていく上でパワフルな力を持っていると考えられています。

複利を活かすには? 実践のポイント

複利の効果をあなたの資産形成に取り入れるには、いくつかのポイントがあります。

  1. できるだけ早く始める 複利の効果は、運用期間が長くなるほど大きくなります。たとえ少額からでも、早く始めることで、より長く複利の恩恵を受けることができます。「今からでも遅いのでは?」と感じるかもしれませんが、始めないことには複利の力は働きません。今日が一番若い日です。

  2. 長期で続ける 数年程度の短い期間では、複利の力は十分に発揮されにくいものです。10年、20年、30年といった長い目で見て、じっくりと運用を続けることが大切です。短期的な市場の変動に一喜一憂せず、腰を据えて取り組みましょう。

  3. 増えた運用益を再投資する これが複利の基本です。投資信託などで得られた分配金をそのまま受け取らずに、再び同じ、あるいは別の投資信託に投資し直す設定(再投資コース)を選ぶことで、複利効果を得られます。

  4. 少額からでも定期的に続ける(積立投資) まとまったお金がなくても、毎月決まった額をコツコツ積み立てていく「積立投資」は、複利を活かすのに非常に効果的な方法です。毎月の積立額が運用益を生み、それが次の積立額と合わさってさらに運用益を生む、という良い循環を作ることができます。NISAやiDeCoといった制度は、この積立投資と非常に相性が良い仕組みと言えるでしょう。

複利を考える上での注意点

もちろん、複利は「必ずお金が増える魔法」ではありません。運用にはリスクが伴います。

これらのリスクを理解した上で、ご自身の許容度に応じた方法で運用を検討することが重要です。

まとめ

この記事では、お金を効率的に増やしていく上で非常に重要な考え方である「複利」について解説しました。

将来のお金について考えるとき、「複利」という考え方をぜひ頭の片隅に置いてみてください。たとえ小さくても、今日から一歩を踏み出すことが、将来の安心につながるかもしれません。

まずは、ご自身のお金の状況を把握することから始めてみてはいかがでしょうか。家計の見直しや、資産の「見える化」に関する記事も当サイトにございますので、ぜひ参考にしてみてください。