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【初心者向け】分散投資とは?リスクを抑える基本と実践方法

Tags: 分散投資, リスク, 資産運用, 初心者, 投資信託, 積立投資

資産運用に興味はあるものの、「損をするのが怖い」と感じて一歩踏み出せない方もいらっしゃるのではないでしょうか。たしかに、資産運用には価格変動のリスクが伴います。

しかし、このリスクを抑えながら資産形成を進めるための、基本的な考え方があります。それが「分散投資」です。

この記事では、分散投資とは何か、なぜリスクを抑えることにつながるのか、そして具体的にどのように実践すれば良いのかを、初心者の方にも分かりやすく解説します。この記事を読めば、分散投資の基本を理解し、安心して資産運用を始めるための一歩を踏み出せるでしょう。

分散投資とは?「卵を一つのカゴに盛るな」の教え

分散投資とは、投資する対象を一つに絞らず、複数のものに分けて投資することです。

よく例えられるのが「卵を一つのカゴに盛るな」という言葉です。もし一つのカゴにすべての卵を盛って落としてしまったら、すべての卵が割れてしまいます。しかし、複数のカゴに分けて盛っておけば、一つのカゴを落としても、他のカゴの卵は無事です。

資産運用においても同じことが言えます。特定の株式や投資信託などに集中して投資していると、もしその投資先の価値が大きく下がってしまった場合に、資産全体に大きなダメージを受けてしまいます。

一方で、複数の投資先に分けて投資しておけば、たとえそのうちの一つが値下がりしても、他の投資先が値上がりしていれば、資産全体の減少を抑えることができます。これが、分散投資がリスクを抑える基本的な考え方です。

なぜ分散投資がリスク低減につながるのか?

資産運用における「リスク」とは、一般的にリターンの不確実性、つまり「価格の変動幅」のことを指します。価格が大きく変動する可能性があるほど、リスクが高いと言われます。

分散投資を行うと、異なる値動きをする複数の資産を組み合わせることになります。例えば、株式と債券のように、価格が逆の動きをしやすい資産を組み合わせることで、一方の値下がりをもう一方の値上がりで打ち消す効果が期待できます。

このように、値動きの異なる複数の資産を組み合わせることで、資産全体の値動きの幅(リスク)を小さく抑えることができるのです。

具体的な分散の方法

分散投資には、いくつかの考え方と具体的な方法があります。主に以下の3つの視点から分散を行うことができます。

  1. 資産クラスの分散
    • 株式、債券、不動産(REITなど)、預貯金など、性質の異なる様々な種類の資産に分けて投資することです。それぞれの資産クラスは、経済状況などによって異なる値動きをする傾向があります。
  2. 地域の分散
    • 国内だけでなく、アメリカ、ヨーロッパ、アジアなどの先進国や新興国の資産にも投資することです。特定の国や地域の経済が低迷しても、他の地域の資産がそれを補う可能性があります。
  3. 時間の分散
    • 一度にまとめて投資するのではなく、毎月一定額をコツコツと積み立てていく方法です。これを「ドルコスト平均法」といいます。価格が高い時には少なく買い、価格が低い時には多く買うことになるため、平均購入価格を平準化し、高値掴みのリスクを減らす効果が期待できます。

これらの分散を、個別株や個別債券を組み合わせて自分で行うことも可能ですが、初心者の方にはハードルが高いかもしれません。

そこで多くの初心者が活用しているのが「投資信託」です。投資信託は、多くの投資家から集めた資金を一つにまとめ、運用の専門家が株式や債券など、様々な資産に投資・運用する金融商品です。一つの投資信託で、複数の資産クラスや地域にまとめて分散投資できるものが多くあります。また、毎月自動で積み立てる設定にすれば、時間の分散も同時に行えます。

分散投資のメリット・デメリット

分散投資には、以下のようなメリットとデメリットがあります。

メリット

デメリット

分散投資の実践のヒント

これから分散投資を始めてみようという方へのヒントです。

まとめ:分散投資は初心者にとって心強い味方

分散投資は、資産運用におけるリスクを効果的に抑えるための非常に重要な考え方です。投資する対象を複数に分け、時間を味方につけることで、資産全体の価格変動を穏やかにし、安心して資産形成を続けるための土台となります。

特に、これから資産運用を始める方や、漠然とした不安を感じている方にとって、分散投資は心強い味方となるでしょう。完璧な方法はありませんが、ご自身の状況や目標に合わせて、分散投資の考え方を取り入れてみることから始めてみてはいかがでしょうか。